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愛は瞳から生まれ、胸に落つる。
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なんかまたやってきましたよモノノ怪かたり。

ていうかマジ長い。こないだのっぺら語りはちょろっとやってたじゃん!とセルフツッコミしたよ(…)



実質のっぺらの解釈については語っちゃった感があります。カテゴリ「モノノ怪」からいくといちばん最初の語り部分に、化猫と薬売りについてと一緒にのっぺらも語られてる。
ので、今回は話(構造)とストーリー(流れ)じゃなくって、おもにもえ語り。あとは取りこぼした部分を拾ってきます。



【のっぺらぼう】

・「効かぬは貴様の信心が足りぬからだ」「めざしの頭のたとえがあるじゃあないか」「いわしだったかな」「塩で焼こうが味噌で煮ようが鯖は鯖」
口八丁な男だ。今回はよくしゃべる薬売り。

・番屋にかけこむ薬売りが想像できない。
にしても、番屋なんかに駆け込んでいいのか。だって薬売りは流しの行商とはいえ、いちおう商人だろう。薬が効かないと怒鳴り込まれて番屋に駆け込んだら、表沙汰になるじゃあないか。うちの薬は効きませんと宣伝してるようなものじゃないか。
薬売りの反応として相応しいのは、相応の金額を渡してさっさとその場を後にする、だろうが、きっとこれはお蝶さんに話を合わせるためのその場語りだったんだろうなぁとも思いますねん。つまり実際にそんなことがあったかどうかは不問ということで。
でもそんなことが実際あったとして、薬売りは相応の金額を払うところでも口八丁を発揮して、料金に色つけて渡すところを「使用したから半額」とか、あとは聴衆味方につけて相手のほうを追い払うとか、できそうだなぁなんて思いました。なんてやつ。

余談だけど、薬売りは自分の容姿のよさをわかってると思う。見目のよさは承知の上、だけど便利だな程度にしか思っていなさそう。けど結構利用してるよね!座敷童子んときの女将に色目つかうとか。容姿はともかく色香のほうは承知の上なのか。これも自覚はあるけどたいして評価してなさそう。ううん…

はなしをもどして。

・面の男は「敦盛」というのがみなさんの呼び方らしい。何故?と思ったらあの泣いてる面がその敦盛の面に酷似してるんだとか。実際の面は泣いてはいないそうだけど。
というわけでこっから面の男を通称で敦盛と呼びます。ほんとは「面の男」といったほうが本来だからそっちで呼びたいんだけど、タイプすんのめんどくさい(おおい)

・敦盛と薬売りの体格差
壁際にお蝶さん追い詰めたときは薬売りは若干お蝶さんより高かった。でもカメラアングルもあるしな。敦盛と薬売りとお蝶さんと直線状に並んだとき(このときほど牢屋の構造に感謝したことはない@縦長)ああやっぱ高くはないんだなと思いましたねん。
薬売りは高下駄で結構身長稼いでるんじゃないか。ちゃんと体つきは男だけど、170あるかなしかくらいで、175はなさそうだなぁなんて。175っていったら桂と全蔵、あとはうちの弟じゃないか(ええ同列?)
敦盛さんは175オーバーぽい。そういや、わたしのなかでハイパーさん(何故か体格いいイメージが)は175オーバーでした。

・敦盛=ハイパーの可能性もなきにしもあらずで、その論拠もこないだ述べたんですが、そのなかで「色黒、耳尖り、体格、髪の色と長さ」っていう外見上の問題はスルーでした。当たり前すぎて。前提すぎてスルーでした…
そうなんですよね。それも捨て置けない。

・「出てはいけない」「ここにいれば安全だ」「また、あの場所へ、戻る気か」
声がえろすぎた。低音…!!
特に最後のやつ。「戻る気か」うああえろい。

・「ここは閉ざされていると思えば牢になり、出たくないと思えば城になる」
このことばが異様にすきなのは、これが事実だからだ。
そして面と思えば面になり、おもてと認めれば顔となる。も、そこに含まれている。

・あの面は案外かわいいと思う@薬売りの面
ありそうだ、ああいうの。

・敦盛の面特集
表情が一切わからないってのに、敦盛の感情の豊かさったらないぜ。
お蝶さんに結婚を承諾してもらえたときの「やったー」なんて最たるものだ。さすがだぜグリーンリバーライト。
涙の面と、狐面が非常にすきだ。

・面ときたから、お蝶さんのお母さんの面の話。
まずは「般若」の面。あれにはきっと、母親として「こころを鬼にする」の意味合いもこめられてたんだろうなぁと。
彼女はきっと梅沢家の跡取り娘で、お蝶さんの父親は婿にはいったんじゃないかと思われる。嫁ぎ先の家のことを「我が梅沢家」といわないような気がする。きっと彼女は長子だったんでは。
梅沢家は武家だったんでしょうが、あの時代、武家以外の平民でその地方の有力な家は、娘が家を継ぐことも珍しくはなかった。むしろ、息子ではなく娘が家督を握ってることは、武家社会じゃなく農耕が主のムラ社会ではよくあることだった。
というのを踏まえて。でも梅沢家は腐っても武家だろうし、お蝶さんの母親に自分が長子だという自覚があったかはわからないし、それが事実だという証拠もないんですが。

ただね、武士の家の娘として生きてきた彼女の半生が幸せなものであったのなら、きっと伴侶の夫が死んで没落してく後年は、幸せが瓦解してくさまにも似てるんじゃないかって。

もしそうなら、彼女があれほどお蝶さんを武家に嫁がせたかった意味もわかる。彼女が彼女なりに娘を幸せにしようとしてたのなら。彼女自身が最も幸福だった時代の夢を見続けてほしいと思うだろう。

それがお蝶さんの幸せか、また、それが必ずしも幸せになれる道なのかどうかはこの際は不問で。ただ、母のこころ娘知らず。娘のこころ母知らずです。これだけはたしか。

親を恨まないこどもはいなし、こどもを疎まない親だっていないんですから。そしてそれはけして悲しいことじゃない。さらにはお互いに過度の期待をかけあってることもたしかだし。こどもは「気持ちをわかってくれるはずだ」と思い、親は「期待にこたえてくれるはずだ」と思う。

今回ののっぺらは普遍的なテーマだなぁなんて思いましたねん。

でも同時に、親を信じたがらないこどももいなし、こどもを愛おしいと思わない親だっていないんです。だからこその行き違いだっていったら、これはきっと悲しいことの部類に入るんですけどね。でも、それをなんとかできるかが、わたしたち娘・息子としてのこどもの、腕の見せ所じゃあないですかね?

ありふれた相克くらい鼻歌まじりで乗り越えてやろうかと。そういや鼻歌は銀さんの魂のリズムでしたっけ。できますよ。わたしたちがわかってほしいように向こうだってわかってほしがってるんだし、わかりたいと互いに思ってる、それこそがほんとうに肝要な部分なんですから。
わかってほしかったら、わかろうとするところからはじめる。ていうのは至言だと思いますねん。
でもクリアしてもクリアしても新しい相克は立ちふさがるし、期待を乗り越えても和解しても、それによってまた新たな期待が育まれるんです。きりがない。でも、それがなんだっていうんです?
そこが手管の見せ所でしょう。それに退屈しなくていい。でももっといえば、親だっていつまでもいないんです。そしてわたしたちが親になる日も来る。
逃げない投げない自分をかわいそがらない。の三か条でたいてい解決しますねん。わたしはどれもこれも脱しきれてねーんだけど笑
でも、嫌いになりたくなかったからね。憎んだままより違う道があってほしいと思ったからね。自分も相手も。親にかぎらず。実際、そんだけ。
簡単な人間です、わたしは。


ああわたしのばか。またはなしずれた。
読んでるかたの胆力は尊敬に値するんじゃないかと思う…

はなしもどして。


・結婚で「やったー」の敦盛はかわいい。でも花嫁衣裳で黒と赤なんて初めて見たよ。
「お蝶」と呼び捨てにする場面にきゅんときた。

象に乗っかって拍手の薬売り
「はい、はい。はい、はい」「めでたしやめでたしや」はあくどすぎてよかった…!なに薬売り、ちょ、わざと敵役やってない?いいそれ。もっとやれ。

・へのへのもへじ!!
いいなぁあれ。手抜き加減がまた。
「わたしの顔となるのです」そうですよね。

・敦盛vs薬売り
ハイパーじゃない薬売りで肉弾戦やるとは思ってなかった。
剣とがんがん打ち合ってだいじょぶとは頑丈な煙管だ。
肩で息する薬売りハァハァマジモユルス…(ああトッシーが、わたしにかかった呪いが…!)

・鏡投げる薬売り
なんだろう、かっこいいとかまさかそんな使い方がとか、いろいろコメントしたはずなのにえ ろ いしか出てこない。指が…いや軽く投げやる仕草か…

・お蝶さんが「あなた」って叫ぶのに俄かとはいえ夫婦を感じた。

後半の口上がすきだ。お蝶さんと薬売りと分け合うかたちで進むアレ。
モノノ怪の口上は全部好みなんですが、のっぺら後編と、あと今んところ化猫の二の幕の口上がすごい好き。薬売り単体だったら化猫なのかもしれないけど、口上を分け合って進む遣りかたが新鮮だったから、今は僅差でのっぺらに軍配があがる。

ちょっと書いてみる。
「想い。思い出。わたしだけの胸のうちにあるもの」「同じときを過ごそうとも、同じ景色を見ようとも、わたしとあなたの胸のうちにあるものはけっして同じではなく」「あなたの姿。あなたの声。わたしだけの胸のうちにいる、あなた」「あなたは、だあれ?」
あなたはだあれのところであの絵を持ってくるあたりが非常に秀逸。

・札でぐるぐるまき敦盛
ああまさかそんな使い方が。というそれ以前に、どっから札出た?(もうそれつっこんじゃいけないんだろうか)
手をあげる(札なし)→てのひらを向ける(札降臨)まで流れが自然だっただけに見入ってしまった。

・札張りアクション
ここもすきだ~円弧を描くものというのによわいらしいわたしは。
ここの口上もお馴染みながらすきだな…ほとんどそらでいえるんじゃないか。
「モノノ怪の形を為すのは、ヒトの因果と縁」から始まる口上。今回はこっからあやかしがとりつく云々といくんだけど、普段なら「真とはコトのありさま。理とはこころのありさま。よって皆々様の、真と理。お聞かせ願いたく候」となるんでしたよね。
歌舞伎でいう「見得をきる」になるのかな…やられたくちですはい。

・「実に、面倒くさい。…モノノ怪だ(こそっと)」
ああたしかにめんどくさい笑 いっちゃだめだけど。

ウインドウズ一家
なに あれ(爆笑)
ウインドウズだ…ほんとに、ウインドウズだ…
ウインドウズマークはわたしのぱそ子にもついてるんだけど、思わず見比べちゃったよ!なんだよあれ!ほんとに全部場所と色が対応してるよ!(確認した)笑ったわー場違いにも。

・「絶好の情念具合」「笑い事ですよ、こんなもの」「この笑い事のために、あなたは一体、何人殺したんです?」
こうなる前にどうにでもきたろうって、そういうちょっと歯がゆい感じがこめられてるようにも見て取れる。
「モノノ怪の力に甘えた結果がこれだ」
すごいすきな台詞のひとつですねん。そしてわたし自身の根幹に「甘えるな」ということばがあるんで、余計に。

・「お蝶の一生」
ほんと歌舞伎的だなぁと。第一場、とかはそっちの用語なんだろうかどうなのか。

・こっからエンドレスリピート名付けて「酒はまだか」場面集(笑)
最後にここがきいてくるんだよなー。

・差し出される包丁
菜切り包丁ってのがメッチャこわい。なかなか死なないよ!なかなか切れないよ!

・お蝶さんの「空」
空。色即是空を思い出す。
最後の「誰もいない」=空(くう・から)を暗示してるようにも思えるなぁなんてのはきっとわたしのうがちすぎ笑

・「かか様きいて」「きいて。きいてってば」「どうして話をきいてくれないの」
切々としてる。桑原さんすごいぜ。
ここで泣いたひとってけっこういるんでは。前述したように普遍的なテーマだから、アダルトチルドレン世代はかなり共感したんじゃないかな。いや、当て推量ですが。

・「ばっかみたい」
さっきの「笑い事ですよこんなもの」という台詞にかぶってくるようにすら思う、お蝶さんの一言。
わたしは肯定的な意味合いでとらえました。

・「お蝶」「お前が殺したのは、誰だ?」
こっからすごいカタストロフィ…!
みんなもうお蝶さんが誰を殺してたかなんてわかってるんだけど、この瞬間がすごい。薬売りの「お蝶」呼びがえらく色っぽかったっていうのもある。(お前)

・鏡のただしい使い方
あれがただしい使い方です。

・「他人の欲望のために、おのれのおもてを忘れたモノノ怪」「形を、あらわせ」

・「モノノ怪は、わたし」

・「救われたなどと思っているのか」
のっぺらぼうは彼女を救いもしたし、また絶望の場所につなぎとめもしてた。その場所に居続けてほしいがために救いを与えた。救いにならない救いと知っていて、それでもつなぎとめたいと願った。
友情は「助け起こすもの」で、恋とは「ともに堕ちるもの」らしいです。もし、そうなら。そう仮定するならば。
…それを、恋と呼んでもおかしくはないんじゃあないかな。なんて。

・「恋でも、したんじゃありませんかね」
あのぽつんと座してる薬売りがえらいすきだ。お蝶さんとの距離とか。けして振り向かないのとか。お蝶さんとハイパーさんの距離、そしてお蝶さんがハイパーをけして振り向かないこと。それらと相まってとてもいい。

恋なのかもしれないねっていうのは前述したので、薬売りとこの台詞について。

えらい人間臭いこというな、と。モノノ怪全編通して、更に怪・化猫を見て、両者に多少の隔たりがあることを前提として。
ていうか恋なんて概念しってたんだな薬売り。
「母の願いのために自分のこころをなくし、母の願いのために自らを道具と為したあなたが、恋をした」のあたりでうおおなんてもえるこというんだその口で、と思ってはいたんですねん。薬売りの口から恋とか惚れたはれたを口走られると途端にうわあとなる。でも薬売りは案外、男としては朴念仁ぽくもあるよね…
受けとしては淑女で娼婦で花魁のくせに!(おい)

なんか、招かれた家の若奥様の誘いは上手にかわすのに、薬売りに淡い思慕の念むける女中の前じゃ無防備な姿見せたりするような。なんかそんな感じ。自分の色香の効果はわかってるし、向けられる想いも大抵気付いてるのに。色目はつかうけど口説かないというか。なんだろうこの感じ…

・「かなしきモノノ怪だ」
愛しい(いとしい)はかなしいとも読む。なんてことを思い出した。
場違いかな。あわれではあるものの、あわれむものではないと、そんな気がして。

・「ありがとう。もう大丈夫」
いいなここらへん。

・梅の枝から飛び立つ鶯
梅の枝=梅沢家
実際には彼女が嫁入りした先の武家ですけれど。でも、きっとお蝶さんが脱したのは、それにとどまらないんだろうなって思ったので。母親の、呪縛の部分を脱した。同時にのっぺらぼうからも。


わかれる解釈の部分は前にしゃべりたおした覚えがあるんでここでは割愛。

ただ煙管を吸った薬売りはどんなサービスシーンだと思った。 ちょ、えろいいいいい。



ああたのしかったって長っ! 長すぎる。ちょ、すごいしゃべったな!
もうちょいしたら学校がはじまるから、こんな変な時間にしゃべりこられるのももうしばらくだ…
さて次は「鵺」だな!ううん、いつくるかね。
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