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愛は瞳から生まれ、胸に落つる。
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今週読みました。
どきどきしました。というか
ぞくぞくしました。





閑話休題抜きでいきます。

「怒る」ことと「叱る」ことの違いってのがあって銀さんは「叱る」側のひとで、というか弁えてるんだろうなとずっと思ってまして。「部外者」であり「仕事」であり必要な線引きであるうえでできることが「説教」で「俺側=万事屋っていうスタンス」なんだろうなと。「俺の国」も線引きのひとつなんだろうと。遵守すべきルール=矜持であることは疑いなく。

今回ぜんぜんルールに則ってないですよね。ていうかずっと違和感があって。
「叱る」じゃなくて「怒る」だからなんだなと納得いった次第です。
今回「傍観者」でも「部外者」でもなく自分から「当事者」の立ち位置に行こうとしてるのが特異点なのだと思いました。というか今まで「傍観者」で「部外者」だったのは“敢えて”だと思ってます。あれは確信犯。
事件があり関わる人間がいたならばその人間の数だけの事件が生まれます。その事件、の定義づけを、銀さん及び万事屋は「第三者」「依頼人」「仕事」「部外者」「奥さんあなたの万事屋です」、としてきたんじゃないかなと。それで割り切れないものがあるにしても、そういう割り切りかたをしてきたんだという意味で。(割り切るというと多少の語弊はあるかもしれないけど。そんな意味合いで)

でもって、今回は違いますよねという話に至るのです。
銀さんが「個人的に」「許せないから」。ここまでは、実はこれまで適用されてきたルールと変わりません。
でも今までとニュアンスが違うのは、「一発殴りに行く」が「ぶっ殺しに行く」なってる点です。
万事屋としてのこれまで培ってきた方法論も、第三者としての弁えた立ち位置も置き去りにして、感情論でじらいあさんをぶっ殺しに行く銀さんの人間的なほころびを
許したいなぁ、なんて思いました。

銀さんとは別にして、じらいあさんの「頂点で崩すのが快感」みたいな話(…立ち読みだから曖昧だけどこんなニュアンスとして受け取った!…違うかな?)は、最終的に納得いきました。「自分を殺したい」「自分に殺されたい」成程。
踏み外すというのはぞっとするほど甘美な感覚です。今回の長篇でずっとぞわぞわしてるのはそれもあるかもしれません。
でも踏み外して実際残るのは圧倒的空疎と迷子になったような泣きたい気持ちくらいです。つまりじらいあさんは単純に、月詠さんと自分が「違う」ことを直視すればいいんですよね。「勘違いしてんじゃねぇてめぇ」「思い知れ屑」的な意味でも。

今回の銀さんしてることって暴挙ですよね。
今までのルールもスタンスも方法論も無視して。
何年か前に見たドラマを思い出しました。「マンハッタン・ラブストーリー」ていうんですが。
一話、二話、とこのドラマには法則性があって、それに従ってストーリーが進んでいくんですが、当初語り部であり傍観者でありすべての登場人物を見守り手助けするフォローキャラクターだったはずの人が、最終的には法則性にからめとられて彼自身が登場人物になるんです。いや、より正確にいうのならラブストーリーの主役に。
当時ポカーンとして見てたんですが、それでもって「短編連作みたいな形を崩してほしくなかったな」なんて風にちょっと惜しくも思ってたのですが、今ちょっとだけ理解できることもあります。
画期的なんですよね。
傍観者が傍観者でいられない。傍観者にも、傍観者としての物語がある。別にラブストーリーに巻き込まれるという意味ではなくても。いやラブストーリーだったのでこの場合は恋しちゃってある意味正解なんでしょうが。
形作った法則性を壊して、新しい形をそこにつくる、そこに「時代の移り変わり」を見た気がしました。

方法論とは絶えず古くなってゆくものです。閉塞と停滞は逃れられないものです。
そして古いものとは新しいものに駆逐されるのが常です。
画期的というよりも、革命的なのだと思った次第です。感動的なほどに。

今回の銀さんの動向が直接的に上の話と関係するかっていうと……微妙にずれてるのかもしれませんが(笑)
ああいう個人的な暴発や、頭が冷えたらけっして正しくも最善でも最良でもない行動をしてしまう瞬間の激情は、それ故にどこまでも真実です。
なので、今回のぜんぜん正しくも最善でも最良でもなく、賢くもなく弁えてもいない銀さんを、
一言でいえば「あー、このひともこんなことするんだなぁ」ということを
そのまんまの気持ちで
ぜんぶ踏まえてそのうえで、あくまで個人的に、
許したいなぁなんて思いました。

やっちゃったねー、やっちゃったよ。
痛恨だね。ばかだね。やっちゃったね。
読んでる気分はこんな感じです。でも今後の展開も気になります。でも銀さんがやらかしちゃったこと自体は変わりないです。
やっちゃったよ、一時のテンションに身を任せるからだよ。でも一時のテンションも個人にとってどこまでも真実なんだから仕方ないよね。
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